「割引現在価値」でお年玉キャッシュアウトを減らそう!

23 「割引現在価値」でお年玉キャッシュアウトを減らそう!
 今日も会計の話をします。正式には「財務(ファイナンス)」の話なのですが。

 みなさんに質問です。みなさんだったらAとBどちらを選びますか?(AかBですよ。「K」はないよ・・・)

 

A 今年1万円もらえる
B 来年1万円もらえる

 

 財務会計的にはAが正解です。というのも、今年もらって銀行に預ければ1年後に利息がつくからです。利息が10%だとすると(現実にはそんなにないですが)、今年の10,000円は来年には1,000の利息がついています。つまり来年の価値に直すと、11,000円になるというわけです。

 

 ではここで問題。来年の1万円(B)は今年の価値に直すといくらになるでしょうか?

 

 カンタンです。Aの場合は1万円に×1.1をしたわけですから、Bの場合は1万円に÷1.1すればいいだけです。そうすると、9,091円になります。つまり、「Bの1万円は現在の価値に直すと約9千円の価値しかない」ということになります。

 

 この考え方を「割引現在価値」といいまして、コンサル業務では設備投資の判断に活用したりします(たとえばA案とB案を比べてどちらの投資案が得なのか・・・等)。

 

 そういう意味では、子どもの頃に親戚からもらって10年定期とかに預けた「お年玉」っていうのは、当時は千円とか1万円とかの価値だったかもしれませんが、大人になってからもらう数千円・数万円の価値と同等・・・ということになりますね。あくまでも「きちんと預けていてくれれば」の話ですが・・・(最近のお年玉は親の子育て費用として渡しているような気がします)。

 

 このさいですから、来年のお年玉は10年後の1,000円を現在価値に割引いて渡しましょうか(利息10%計算だと約386円になります→÷1.1を10回やってみてください)。

 

 

「利息10%の定期預金に預けておけば1,000円になるから、今年のお年玉は386円ねっ!」・・・って。

 

 この時点で、子どもには「大人の貫禄」も割引かれて計算されそうですが。