シリーズ:酒税法は楽し⑧ ~控除かっ!~

 所得税と同じように、酒税法にも酒税額の控除の規定があります。所得税ほど多くはないのですが、以下の3つの種類があります。

 

(1)「戻入れ控除」・・・返品があった場合に適用されます。もともと製造場からの移出がなかった状態に戻るからです。
(2)「再移出控除」・・・他社から課税移出された酒類を、自社の容器に詰め替えて売ったり、自社の酒類と混和して移出した場合(これが厄介!)に適用されます。控除しないと、2回酒税が課せられることになってしまうからです。
(3)「原料使用控除」・・・他社から課税移出された酒類を、自社製造の酒類の原料とした場合に適用されます。理由は再移出控除と同じです。

 

 こう書くと簡単そうですが、面倒くさいのは(2)の「自社の酒類と混和して移出した場合」です。控除対象の酒と控除対象外の酒が混じってますから、やはりアルコール分の比に応じた按分処理が必要になります。今度は1ml未満の端数処理になったり、その処理は四捨五入に変わったり、完成後の度数に換算をしたりと、電卓何回叩かせるねん。やっぱり面倒くさい・・・。


 飲んでいる側にとってはすでに混ざった酒ですし、課税済みの酒に何か色がついているわけではありませんので、「飲んじゃえば一緒じゃん」と何度も言いたくなりますなぁ。